ステーキが噛みきれない


ああきれいすぎて君しか見たくない

ああきれいすぎて君なんか見たくない

ワイヤレスイヤホンの変なとこ押して

勝手にかかる電話みたいな人生


サーキットなんて無限の穴埋め

さっき唱えた呪文は期限切れ

クーポン使って舌やけどした

ステーキが噛みきれない


行き過ぎれば誰だってグロテスク

生徒が生贄になってアラベスク

明日咲くかもしれない花の

ためにどこまでがんばれたっけな


あ あ あ あ あ あ あ

絶対大丈夫

あ あ あ あ あ あ あ

発泡スチロール


サービスと暗黙の了解の間で

さびしさだけ前歯きしらせて

来やしない誰かを待つように

ステーキの味がしなくても


空から恥が降るもんだから

レインコートを引っ張り出した

途切れていたのは線路なのに

いのちのような気がしたの


成立しない誠実さの瓦礫に

整理しない押入れのカラーボックスに

知らなきゃいけないこと

わたしが君もわたしも知らないこと


気づいてない傷とひしゃぐ笑顔と

引きずってないふりしてたあの夜ごと

あごが疲れたとしても

うまく飲み込めずとも

このステーキは噛みきれない

こんなにも割り切れない


ああきれいすぎる君を見た俺の

眼鏡を外して